のれん誌 秋冬号 No.628 2012年3月発行
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桜に因んで
季節の移ろいは速く、花は慌ただしく、咲いたと見る間もなく、夜来の雨風にさらされて散ってしまう。散ればこそ惜しまれる桜の花は、凄絶な美しさの中に、華やいだ雰囲気を醸しだす。この季節のもので、美しいもの、可愛いものに冠せられるサクラの言葉は、日本人の魂を見る思いがする。
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菊正宗酒造株式会社

ずいぶん昔のことになるが、卒業して就職した会社が、酒精アルコールのメーカーで、最大手のお得意様が、<菊正宗>であった。酒どころの灘五郷、伊丹、伏見、奈良をはじめ北陸その他関東以西の酒造会社を担当する大阪支社の酒精課は、連日連夜販売合戦に明け暮れていた。女子社員だとてのんびりしてはおられない。他の課の者も手伝えることは手伝って、全社をあげてとりくんでいた。

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株式会社 松前屋<こんぶ>
子どもたちが、大きくなって、お弁当づくりをしなくなったが、ときどき当時のあの朝の忙しさを懐かしく思い出すことがある。 おむすびの海苔巻き、玉子焼き、火を通したカマボコ、ウインナーは定番で、肉の甘辛煮、焼いた紅鮭に、必ず添えるのは、<松前屋>のゴマ入り短冊昆布。短冊に切ってあるから、子どもにとってたべやすい。味もさして辛くない。ゴマの香も芳しい。食欲のない時でも思わず全部食べてしまうらしい。
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花物語 シクラメン

長姉は、健康を損ね、数年間入退院を繰り返し、そのたびに家族は勿論、私達兄妹も一喜一憂をしていた。集中治療室で、最先端をゆく医療器具に囲まれていた。 やっと個室に戻れたということで、駆けつけてみると、「じっと寝たままでいると、さぞ足が痛かろう。だるかろう」と義兄が、姉の足をさすってあげていた。
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