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老舗物語 ― うどんすき<美々卯>
美々卯 堺で2000年以上続いた料亭で主人は代々耳卯兵衛と名乗ってきた。大正13年、先代平太郎が、悟るところあって、麺類専門店としてはじめたのが、現在に至っている美々卯である。


 以来、政界、財界、文化人をはじめ多くのお客様の輪が広まりどんどん固定客がふえていく。新しく固定客となられたら、また、誰かを連れてくる新たな輪の始まりとなる。
 登録商標うどんすきは、吟味された新鮮な具(海老、鶏肉、穴子、蛤、しいたけ、野菜等)と、腰のあるうどんを、鰹と昆布からとる秘伝の出し汁とともに、賞味に値する鍋料理である。


 うどんという最も庶民的な食材を今日の鍋料理の品格に押し上げた美々卯の功績は大きいうどんという最も庶民的なお店が、伝統のある、どっしりとした<のれん>が迎えてくれる。まことに爽快である。


 あれだけの多種類の具(勿論うどんも)を入れて煮ても、出し汁は濁らない。そこが、老舗の秘伝というものであろう。



   梶 康子
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